伝統芸能の素晴らしさ―歌舞伎のススメ

伝統芸能と聞くと、難しそうだから見ても仕方ないとか、そんなに面白くなさそうとか、高齢者が観るものじゃないのとか、考えていませんか。それは大きな間違いです!これほど長く伝統芸能が残っているのには理由があります。当たり前、面白いからです。今回は歌舞伎の面白さをご紹介します。

まず、きっかけは大切だと思います。これを読んで、「観てみようかな」と思って頂ければ最高です。私のきっかけは、某公園前派出所マンガを読んだことです。その回では歌舞伎について色々と紹介されていて、その中で舞台装置である屋根がひっくり返って場面転換すると描かれていました。初めて知った感想は、「何それ?歌舞伎ってそんなことするの?」でした。とはいえ、どんな物語の中で場面になるのかわかりませんし、屋根がひっくり返る(厳密には垂直に立つ、ですが)ことも想像できません。それが私の場合は、観てみたいに繋がりました。
次に、初めて見る演目が何か、はかなり重要だと思います。それが難しくて理解しにくい演目だったり、地味で玄人好みの渋い演目だったら、初心者が心を掴まれることにはならないかもしれません。私の場合は、「小笠原騒動」という演目で、早変わり(一人複数役をする役者さんの役が一瞬で変わること)があったり、本水の立ち回り(本当の水を舞台上で使った立ち回り)があったりと、かなり見映えの良いものだったので、簡単に心を奪われてしまいました。

では、歌舞伎の良さとは何か。私が思う点を挙げたいと思います。
まずは衣装の美しさです。歌舞伎に出てくる衣装は、デザインも色合いも本当に素晴らしく綺麗で、衣装を見ているだけで楽しめるとさえ思います。ただ明度が高い色を使うとかではなく、目に鮮やかだったり、深みのある渋い色だったり、決して洋ではなく和の色だったり、と色だけ取っても見どころがたくさんあります。
次にストーリーです。痛快なお話から、重く悲しいお話まで様々ありますが、しっかりと作り込まれて練り込まれた物語が展開されます。それでいて、その軸にしっかりとした芯が一本通っているのが素晴らしさだと思います。それは、忠義であったり、愛であったり、掟であったりと、現在の我々の文化としては理解しにくいものだったりするのですが(忠義のために我が子の首を刎ねるなど)、芯が本当にしっかりとして折れないものであるので、物語に深みと輝きを与えていると感じます。

また、見得はやはり大きな魅力です。物語のここぞという場面で見得が切られますが、よく言われるように見得はズームアップの効果があります。掛け声や拍子木の音と共に役者さんがポーズをとって見得を切ると、自然と目線がそちらにいき、不思議と大きく見えるのです。大向こう(客席から飛ぶ役者の屋号を言う声(「成田屋!」とかです))が飛んだりするので、見ていて気分が高揚しますし、何より見得がかっこいいのです。これは是非実際観に行って体験して頂きたいです。

このように、歌舞伎は多くの魅力にあふれています。今は、動画サイトでも落ちている演目があったりするので、簡単に目にすることは出来ますが、臨場感を味わうためにも是非、劇場で体験して欲しいなと思います。
どれを見ればいいか分からないと思われるでしょうが、調べてみて派手そうな演目を見てみて下さい。個人的には、「女殺油地獄」や「弁天娘女男白浪」、「義経千本桜」などは、立ち回りも派手でお話も分かり易いのでオオススメです。

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